仮囲いの高さ基準|1.8mの適用条件・高低差の測り方と発注準備
仮囲いを「1.8mのパネルでよい」と決める前に、その工事に適用される基準と高さを測る起点を確認します。特に、道路より現場が低い場所や傾斜地では、パネル自体の高さと周辺からの有効な高さが一致しません。条文の対象判断から測定、構造・出入口との調整、発注資料までを順に整理します。
この記事の結論
- 建築基準法施行令第136条の2の20は、木造で高さ13m超または軒高9m超、木造以外で2階以上の建築物の建築・修繕・模様替・除却工事を対象に、原則1.8m以上の仮囲いを規定します。
- 現場の地盤面が周辺より低い場合は周辺の地盤面が高さの起点です。区間ごとに高低差と仮囲い上端を記録し、製品の呼び高さだけで適合を判断しません。
- 同条の対象外やただし書きに当たる場合も、ほかの危害防止措置、発注条件や地域のルールを確認します。高さが決まっても、風に対する支柱・基礎や落下物対策は別の検討です。

現場での利用を示すイメージです。掲載画像によって取扱機種・仕様を保証するものではありません。
仮囲い1.8mの対象か、建物・工事・例外の順に判断する
最初に、建物の構造、高さ・軒高・階数と、今回の工事内容をそろえます。建築基準法施行令第136条の2の20の対象と、条例・発注仕様・公衆災害防止の計画から必要になる措置を混同しないことが出発点です。
| 判断する項目 | 対象・扱い | 残す資料 |
|---|---|---|
| 工事内容 | 建築、修繕、模様替、除却の工事 | 工事概要・対象部分の図面 |
| 木造 | 高さ13mを超える、または軒の高さ9mを超える建築物 | 高さと軒高の根拠図 |
| 木造以外 | 2以上の階数を有する建築物 | 構造・階数が分かる図面 |
| 対象に該当 | 原則、工事期間中、周囲へ基準面から1.8m以上 | 仮囲い計画図・実測記録 |
| ただし書き | 同等以上の効力を持つ他の囲いがある場合等 | 既存塀の状態・周辺条件、適用判断の記録 |
| 同条の規模に非該当 | 仮囲い等が一切不要と決まるわけではない | 第三者の接近、発注条件、地域ルールの照合 |
木造で高さがちょうど13m、軒高がちょうど9mであれば、「超える」という同条の数値条件には当たりません。ただし、別の規定や危害防止上の対策まで不要になることを意味しません。増改築などで判断対象が不明な場合は、工事監理者や所轄の建築指導部局へ図面を示して整理します。
周辺より地盤が低い現場は、断面で高さを測る
同条では、原則は現場の地盤面、現場が周辺より低い場合は周辺の地盤面を起点とします。道路の勾配や擁壁の切れ目がある場所は、正面写真だけでは読み取れません。平面図へ測定点を振り、各点の基準面・上端・開口を断面と対応させます。
| 測定点 | 基準面と現場面 | 上端までの読み方 |
|---|---|---|
| A:道路と現場が同じ高さ | 高低差0m | 基準面から1.8m以上かを測定 |
| B:道路より現場が低い | 現場が道路面より0.6m低い | 現場面から上端まで0.6+1.8=2.4m以上が計算上必要 |
| C:道路に勾配がある | 区間で高低差が変わる | 高い側を含む測定点を増やし、区間ごとに不足を確認 |
Bで現場面から高さ2mの製品を置いても、道路面から上端までは計算上1.4mです。製品を持ち上げればよいという意味ではありません。下部の隙間や支持方法が変わるため、必要な上端高さと下端の納まりを仮設の計画担当へ渡して構成を検討します。
- 測定点番号・撮影方向・測定日を図面と写真に共通で記す。
- 現場面と周辺面の高低差、必要な上端、出入口と端部を区間ごとに残す。
- 掘削・盛土・舗装で基準面や通路が変わる工程を再確認の時点にする。

高さで解決することと、別の設備で防ぐ危険を分ける
仮囲いの目的は、第三者との境界をつくり、工事に伴う危害を防ぐ計画の一部を担うことです。1.8mあれば落下物、粉じん、騒音、車両衝突をすべて防げるという性能基準ではありません。
| 現場で見つけた条件 | 追加で検討すること |
|---|---|
| 歩道が狭い・交差点に面する | 見通し、有効な通路、扉の開く方向、案内と誘導 |
| 高所作業・はつり・解体がある | 落下物・飛散物の対策。仮囲いの高さと別に防護方法を計画 |
| 騒音が問題になる | 音源・受音点、隙間、上部の回り込み、作業時間と計測 |
| 海沿い・高低差・開けた場所 | 風の条件を踏まえた支柱・控え・基礎、点検と荒天時対応 |
| 夜間・休工中に無人になる | 施錠、隙間、照明、防犯カメラ、緊急連絡先 |
転倒に対する構造と、車両を受け止める防護性能も別です。高さを上げたり目隠し面を増やす場合は、風を受ける条件が変わります。パネルの追加だけで済ませず、設計担当・施工担当へ変更内容を渡します。
鋼板・PVC・シートは、同じ防護性能として比べない
素材、支持構造、用途を別の欄にして比べます。「単管+パネル」は構成方法で、鋼板・PVCは面材です。シートを張った区画を、板塀に求められる効力と同じものとして自動的に置き換えないでください。
| 候補 | 仕様書で比べること | 発注前に決めること |
|---|---|---|
| 鋼板製フラットパネル | 幅・高さ・重量、表面仕上げ、取付部材 | 搬入経路、支持構造、端部・角部、設置撤去の担当 |
| PVC製フラットパネル | 型式ごとの寸法・重量・固定方法・用途 | 必要な性能を満たす構成か、加工や取付の指定 |
| メッシュ・目隠し・防炎シート | 用途、開口率等、防炎表示、取付条件 | 仮囲いの代替か補助かを区別し、必要な効力を照合 |
| 防音を目的とする構成 | 周波数ごとの性能と試験条件、隙間・回り込み | 受音点と音源の関係、施工条件、効果の確認方法 |
日本セイフティーのアドフラット資料でも、製品仕様と施工例が示されています。個別商品の情報を参考にし、すべての鋼板やPVC製品に同じ性能があるとは判断しません。商品候補は仮囲い・フラットパネル、シート類は仮囲い・ガード・シートで確認できます。
仮囲いのレンタル費用と枚数は、延長・開口から数量を拾う段階に利用します。防音・防炎シートの違いや騒音振動計のレンタルも、目的に合わせて別に照合してください。
出入口・掲示・装飾は、支持構造と一緒に決める
車両用ゲートと人用出入口は、閉じる幅だけでなく、有効開口、収納位置、開閉範囲、足元、通路の見通しまで平面図へ入れます。仮囲いを高くしても出入口の管理が決まっていなければ、境界を保てません。
外側へ工事案内や完成予想図を出す場合は、掲示面と見やすい位置を確保します。インクジェットシートや既製の柄入りシートを使う際も、貸出品への加工・貼付、原状回復、固定方法と風の影響を先に整理します。


デジタルサイネージを付ける場合は、機器の重量、支持方法、防雨、電源、保守時の作業場所を別途検討します。すべての法定掲示を自由に画面へ置き換えられるとは考えず、現場向けサイネージの選び方から対象の表示内容と仕様を確認してください。
発注前の確認票を、1区間の記入例まで埋める
| 確認票の欄 | 記入済みの例/次の行動 |
|---|---|
| 適用の整理 | 非木造2階。令第136条の2の20の原則対象として計画 |
| 区間・測定 | 道路側B区間。道路面より現場面が0.6m低い。写真B-01に測定位置を記録 |
| 必要な高さ | 道路面から1.8m以上。現場面から上端2.4m以上を条件として提示 |
| 延長と開口 | 図面Bの延長と、車両・人用出入口を別々に記載。部材の枚数は有効幅で算定予定 |
| 支持構造 | 地盤、埋設物、控えの置場を仮設担当が調査。パネル型式・基礎は未確定 |
| 周辺対策 | 歩道の見通し、飛散・騒音の対策を施工計画へ。高さだけで完了にしない |
| 工程・管理 | 設置前の確認、荒天前後、掘削後の点検担当と記録欄を設定 |
この例は計画に渡す情報を示すもので、2.4mの構成がそのまま施工できるという設計例ではありません。仕様が固まる前でも、条件と未確定事項を分けることで、確認先と追加調査が明確になります。
- 図面:各辺の延長、高低差、開口、道路境界、控え・基礎を検討する範囲。
- 条件:必要な高さと目的、工期、周辺の人・車・建物、風や搬入の制約。
- 資料:適用根拠、採用候補の仕様・施工資料、既存塀や路面の写真。
- 分担:計画・構造検討・設置・点検・補修・撤去を担当する会社と責任者。
仮囲いまわりの手配と、設計・施工の確認をつなぐ
グリーンクロスへは、現場の地域、期間、計画した高さ、延長・開口、パネル・シート・掲示物等の希望をお知らせください。全国拠点で、対象商品の取扱い・在庫・搬入条件と、希望する作業の対応範囲を個別に確認します。
実測、構造検討、施工、装飾の貼付、撤去がすべて標準で含まれるとは限りません。用品の数量と、必要な設計・現地作業を分けて見積りへ載せます。外構や植栽と撤去が重なる時期も共有すると、工事途中の変更を整理しやすくなります。
よくあるご質問
令第136条の2の20には、建物の構造・高さ・階数と工事内容による対象条件、同等以上の囲い等に関するただし書きがあります。同条の対象外でも第三者への危害防止や発注条件・地域ルールを別に確認し、囲いが不要とは即断しません。
同条では周辺の地盤面が起点です。道路面より0.6m低い仮の例なら、現場面から上端までの計算上の高さは2.4m以上です。下部の隙間や支持構造も含む計画が必要で、製品を持ち上げるだけの施工を勧めるものではありません。
高さの数値だけでは判断できません。音源や受音点、落下・飛散のおそれ、風、支柱・基礎、通路を別々に検討します。パネルや表示機器を追加すると構造条件が変わるため、計画担当へ変更内容を渡してください。
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